「JR貨物フェア2019」アンケート内ご質問の回答(地元のJR貨物職員のご担当者より)

 吹田市情報発信プラザInforestすいたで開催された「JR貨物フェア2019」にお越し頂いた皆様方、ご来場ありがとうございました。今回で8回目の開催となり、吹田市内での恒例のイベントとも言えるまでに続けてこられたのはご来場いただける多くの皆様方のご支援の賜物であり、心から感謝申し上げます。より楽しく・より喜んでいただけるJR貨物フェアを開催できるように私たちも努めてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 さて、会場ではアンケートの記入をお願いしました。ご回答いただいた方々には、この場を借りまして御礼に申し上げます。頂戴したアンケートは、1枚1枚拝見させていただき、私たちへの「貴重な声」として受け止め、今後のJR貨物フェア開催にあたっての参考にさせていただきます。また、アンケートの中ではいくつかのご質問とお子様からはメッセージを頂戴しましたので、この場で回答させていただきます。掲載スペースの問題や業務上の観点等から回答は7点、お手紙へのお返事は3点にさせていただきました。御了承下さい。また、今回はEF200形式が大好きというメッセージも多かったため、3月28日に引退したEF200形式(会場に設置した運転台の機関車)のラストランを担当した運転士からのメッセージも掲載しました。併せてご覧下さい。

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JR貨物フェア2019

ご質問に対する回答

1.コンテナ列車は最長何メートルまで連結可能か?

⇒コンテナ貨車は最大26両連結することができます。これらの車両の長さは、1両あたり約20メートルです。先頭には機関車が連結されるので、列車としては約540メートルとなります。

2.貨物列車1編成につき、コンテナは何個運べますか?

⇒コンテナには様々な大きさのものがあり、主流である12ftコンテナ(長さ×幅×高さ=3.6m×2.2m×2.2m)を例にして考えると、コンテナ貨車1両につき5個のコンテナが積載できます。前回答にあるように、コンテナ列車は最大26両編成のため、最大130個のコンテナを積載し運ぶことができます。

3.貨物列車の運転士さんは、1日に最大どのくらいの距離を乗務するのですか?また、1日の勤務時間は?

⇒社内規程で、1回の乗務キロは220キロ(一部特例で230キロもあり)が限度となっています。この1回とは、片道を意味しています。具体的な例を上げると、吹田機関区担当線区であれば、吹田貨物ターミナル駅~岡山貨物ターミナル駅間の乗務キロは、184.5キロとなっています。往復すると369キロとなります。行路には、吹田貨物ターミナル駅と岡山貨物ターミナル駅間の往復に加えて、途中に休憩を挟んで吹田貨物ターミナル駅~百済貨物ターミナル駅や安治川口駅間を往復することもあります。後者は、距離が短いため社内規程を超えた乗務キロにはなりません。また、1日の勤務時間も乗務する列車、乗務列車の方面など様々であり、10時間程度の仕事もあれば、24時間近くになる仕事もあります。しかし、運転士が安全に乗務するためには休養も大切です。したがって、休養時間も含めて1日の勤務時間となります。

JR貨物フェア2019

4.運転士さんが好きな機関車はなんですか?

⇒吹田機関区だけでもEF65形式・EF66形式・EF210形式・EF510形式など多数の車種に乗務します。それぞれの機関車に特徴があり、運転士も多数居ます。どの機関車が好きか?と一概には答えられませんが、貨物フェア担当者の個人的な意見としてはEF66形式が好きです。その理由は、EF210形式やEF510形式は技術革新により自動化された機器もあります。これに対し、EF65形式やEF66形式などはいわゆる国鉄時代から継承したもので、技術的にもいわゆる運転士の技が必要な機関車です。ここが、運転士にとって難しく、かつ楽しい部分でもあり、毎日研究しながら乗務しています。

JR貨物フェア2019

5.エコレールマークは、どんなものですか

⇒二酸化炭素削減に向け、平成17年4月に国土交通省で制定された「エコレールマーク」は、環境に優しい鉄道貨物輸送を活用して地球環境の問題に積極的に取り組んでいる企業や商品であると認定された場合に、その商品や企業のCSR報告書・ホームページ・名刺などに表示することができる環境ラベリング制度のことです。家庭内にある菓子・酒類・飲料・調味料・洗剤などに、よく目を凝らして見てみるとエコレールマークが印字されたものが見つかるかもしれませんよ。
エコレールマーク

6.JR神戸線でレッドサンダーを一度だけ見かけました。どれくらいの頻度で走行していますか

⇒レッドサンダー(EF510形式)は、日本海縦貫線で活躍する機関車であるため、東青森駅~吹田貨物ターミナル駅間を中心に運用されています。その中で、2075レ・2080レについては岡山貨物ターミナル駅まで運用されています。両列車は毎日運転が基本のため、JR神戸線で毎日見ることはできますが、機関車変更となる場合もあります。参考として、以下に列車の時刻を記載します。
【参考】
2075レ (吹田貨物ターミナル駅4:04発 ⇒岡山貨物ターミナル駅6:26着)
2080レ (岡山貨物ターミナル駅9:57発 ⇒吹田貨物ターミナル駅12:45着)
※時刻変更や列車遅延時はこの通りにはならない場合があります。

レッドサンダー

7.運転士は、1人で乗務されていますか?車掌はいませんか?

⇒貨物列車の運転士は、1人乗務です。また、旅客列車のようにドアの開閉や車内案内などもないため、車掌は乗務していません。

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お手紙のお返事


①かもつれっしゃのイラストを描いてくれて、ありがとう。イラストのうんてんせきには、笑顔をしているうんてんしさんが座っているのかな?うんてんしさんも、みんなが駅や道路からこっちにむかって、笑顔で手をふってくれるととてもうれしくなって、うんてんしさんたちも笑顔になります。「がんばってね♡ダイスキ♡」のメッセージありがとう。うんてんしさんたちもがんばるから、これからもかもつれっしゃが大好きでいてね。


②すいたきかんくは、全国をみてもとても大きなところです。うんてんしの人数もきかんしゃの数もとてもたくさんです。すいたは、たくさんのかもつれっしゃが走っていて、おきゃくさまからあずかった大切なにもつもたくさんあるよ。うんてんしさんたちは、毎日みんなが寝ている夜の間も、かもつれっしゃをうんてんしているよ。だから、あんぜんはちゃんと守らないといけないんだよ。私たちにとてもうれしいことばを書いてくれてありがとうね。


③きかんしゃのうんてんしつは、とてもせまい所です。だから、夏になるとうんてんしつもあつくなります。でも、かもつれっしゃをあんぜんにうんてんすることが、私たちのしごとです。だから、こまめに水分ほきゅうもしながら、うんてんしているよ。かもつれっしゃをうんてんするために、からだのたいちょうにも気をつけないといけないんだよ。これからは、あついきせつになるし、うんてんしさんたちも気をつけて、毎日あんぜんうんてんするからね。おてがみ書いてくれて、ありがとうね。

JR貨物フェア2019

このほかのおてがみも1枚1枚読ませてもらいました。本当にありがとう。JRかもつで働く私たちもこんなにもみんなが温かく見守ってくれていることを知って、本当にうれしいよ。おてがみ以外にも、かもつれっしゃのイラストを描いてくれているものもあって、「とても上手に描けているな」と思ったよ。みんながかもつれっしゃを大好きなきもちがよく伝わってきて、毎日JRかもつで働く私たちももっともっとがんばっていきます。だから、みんなもたくさん勉強して、よく遊んですくすくと大きくなってほしいな。そして、いつかJRかもつで働く私たち、そしてももたろうやレッドサンダーたちといっしょに働けることを楽しみにしているね。

EF200形式ラストランを担当して

3月28日の1086レの運用をもって吹田機関区所属EF200形式の活躍が幕を閉じました。同機の引退公表やヘッドマークの取付などがなかったため、沿線での鉄道ファンの目立った盛り上がりもなく、静かな引退となったことは間違いありません。しかし、数年前からEF200形式の廃車が始まっており、21両あった機関車が残り僅かとなっていた現状を見て、近いうちに完全に引退することも予期されていた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
ここで1つ質問です。EF200形式にはどんなイメージをお持ちですか?シングルアームパンタグラフ、ハイパワー、カッコイイ。皆さんの持つイメージは各々あると思います。確かにEF200形式は、それまで国鉄型機関車が多い中で、JRとなって初めて登場したVVVFインバータ制御の機関車であり、後に登場するEF210形式やEF510形式、DF200形式などの今ではJR貨物の主力機関車の礎を築いたことは間違いありません。一方、運転士の世界ではハイパワーであるゆえに「よく電気を食う機関車だ」「ブロワー(送風機)の音が大きい」「運転室内が暑い」など、外からは決して見えない現実もありました。しかし、ハイパワーだからこそ、上り勾配上で停車した時の引き出しは楽々と前進し、架線電圧が低い箇所の運転は運転士の腕の見せ所でもありました。見習時代から運転してきた機関車、それも吹田機関区の機関車が引退することは悲しいものがあります。
平成2年に試作機が誕生し、平成31年に引退。新元号に変わる今、まさに「平成を生きた電気機関車」でした。同機が大破するような大きな鉄道事故もなく、無事に引退を迎えられたことは何よりの功績かもしれませんね。

JR貨物フェア2019

終わりに

毎年の恒例となった「JR貨物フェア」。来場者の中には、北海道から来られた方もおられ、旅行中の貴重なお時間を割いて来場されたとのことでした。これを知った時は、驚きと本当に嬉しい気持ちになり、JR貨物フェアの存在が着々と広まっているものと感じました。北は北海道から、南は九州まで全国を走る貨物列車。吹田地区の役割だけでなく、全国を走る貨物列車の姿も会場で見ていただけるように、今後も創意工夫を凝らし、楽しい会場作りに努めます。
最近では、専用列車の運行や大型コンテナを利用されるお客様が増加してきておりますが、まだまだJR貨物の認知度は低いと考えます。地球環境に優しく、中長距離に強い良質な物流を提供できるよう努めてまいります。今後も「安全第一の鉄道貨物輸送」に全力で取り組んでまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
(JR貨物フェア担当者より)

JR貨物フェア2019